自己肯定感の本質
公開日:2025/11/03
「自己肯定感」という言葉を
日本人、あるいは、子供たちの教育に関連して
見聞きしたことがある人は多いでしょう。
今回は、「自己肯定感」について
下記の書籍での学びをお伝えします。
『自己肯定感という呪縛』
榎本博明 著(2021年)
◆筆者の問題意識
日本人は自己肯定感が
低いと言われているが
それは本当だろうか?
◆この問いへの展開
①自己肯定感という言葉が
日本で使われるようになったのは、
2000年以降。
それ以前は、似た言葉としては、
自尊感情という言葉が主に使われていた。
②そもそも、他国と日本では、
文化的な背景が異なる。
例えば、アメリカでは
「自己主張」をするように教育されている。
対して、日本では「謙遜」の文化がある。
このため、自己肯定感についての
同じアンケート調査をした場合、
日本人の回答が低くでる。これは、
実際に、自己肯定感が低いこととは異なる。
③アメリカでは、かつて、
子供たちの自己肯定感を高めよう
という取り組みがあり、結果として、
自己肯定感が下がる方向に働いた。
現在、日本でも、同様のことが起こっている。
この原因は、安易な「ほめる」によって、
自己肯定感を意図的に高めようとしていること。
④自己肯定感は、結果である。
本質的には、子供でも大人でも、
本人の「主体性」による
「向上心(自己成長)」と
「使命感(他者貢献)」によって、
自己肯定感は自然と高まる。
⑤また、生きていく上で必要なのは、
自己肯定感というポジティブ要素だけではない。
ネガティブなことへの忍耐力も必要。
新渡戸稲造は、『武士道』において
「克己」の大切さを説いている。
克己は、ネガティブな感情を抑制する。
◆感想
上記の内容は、本の一部であり、
私の方で意訳しているところもあります。
私も、著者と同じような
問題意識を持っていましたが、
うまく言語化をできませんでした。
ただ、そこは一流の先生の言語化力。
良書と出会えて感謝です。
この本を読んで、あらためて、
「主体性」による
「自己成長」と「他者貢献」の
大切さを確認できました。
私は生涯を通して
もっと成長して
もっと役に立つ人間になります。
私は、教育者、あるいは、大人の
こうした「姿勢」こそが、
子供たちが「本質的な自己肯定感」を
育むことにつながると信じています。



